
家の電球が切れたから交換したいけど、電球にサイズが書いてなくて、どれを買えばいいかわからない…
そんな経験はありませんか? 電球の交換は簡単なようで、サイズや種類を間違えると「ソケットにはまらない!」「明るさが全然違う!」なんて失敗も。



そんな電球選びのお悩みを解決します!
この記事では、照明メーカーに勤務している私が、電球サイズの見方や測り方、種類ごとの違い、そして失敗しない選び方のコツを、専門用語をなるべく使わずに分かりやすく解説します。この記事を読めば、もう電球選びで迷うことはありません。ぜひ最後まで読んで、ご自宅にぴったりの電球を見つけてくださいね!
- 電球選びの最重要ポイント「口金サイズ」とは?(E26, E17など)
- 自宅の電球サイズの確認方法(本体・パッケージの見方)
- サイズ表示がない場合の測り方(定規があればOK!)
- 明るさや光の色はどう選ぶ?部屋に合わせた選び方のコツ
- LED電球って何がいいの?メリットと選び方のポイント
- 交換時の注意点とメーカー勤務者おすすめの選び方
まず知っておきたい!電球の「口金」とは?
電球を選ぶ上で、最も重要で、最初に確認すべきなのが「口金(くちがね)」です。
「口金」ってどの部分?
「口金」とは、電球を照明器具のソケット(受け口)に取り付けるための金属部分のことです。多くの場合、ネジのような形状をしています。この口金の大きさが照明器具のソケットと合っていないと、電球を取り付けることができません。


主な口金サイズの種類
口金サイズは「E26」や「E17」といった「E」で始まる記号と数字で表されます。この数字は口金の直径(mm)を示しています。



日本の家庭で主に使われているのは以下のサイズです。
E26(イーにじゅうろく)
最も普及しているサイズ。リビングやダイニングの主照明、廊下、トイレ、洗面所など、多くの場所で使われています。直径 約26mm。
E17 (イーじゅうなな)
E26より一回り小さいサイズ。ダウンライト、シャンデリア、スポットライト、小型のペンダントライトなどによく使われます。「ミニクリプトン電球」と呼ばれる白熱電球の多くがこのサイズです。直径 約17mm。
E12 (イーじゅうに)
常夜灯(ナツメ球)や装飾電球などで見られます。直径 約12mm。
E11 (イーじゅういち)
ハロゲンランプのスポットライトなどで使われることがあります。直径 約11mm。
まずは、ご自宅の照明器具のソケットがどのサイズに対応しているかを確認することが、電球選びの第一歩です。
電球サイズの確認方法:まずは表示をチェック!
口金サイズの種類がわかったところで、次に今お使いの電球がどれなのかを確認しましょう。



確認方法は主に3つです。
電球本体で確認する
ガラス部分や口金の近くに、ワット数(W)やボルト数(V)、メーカー名、型番などの情報が印字されていることがあります。「E26」「E17」といった「E」から始まる記号を探しましょう。
ただし、口金サイズが直接書かれていない事も多いので、もし型番などが読み取れれば、それを手がかりにインターネットで検索してみましょう。メーカー公式サイトや通販サイト等で口金サイズを特定できる場合があります。
電球のパッケージで確認する
もし購入時のパッケージが残っていれば、サイズや種類に関する詳細な情報が記載されています。
- 口金サイズ、明るさ(ルーメン、〇〇形相当)、光色、消費電力(W)などが分かりやすく書かれているはずです。
- 「調光器対応」「密閉型器具対応」などの機能に関する情報も確認できます。
照明器具で確認する
メーカーによっては、シェードの内側など目立たない場所に、口金サイズや適合電球の情報が記載されたシールが貼られていることがあります。
最近では「LED電球専用」と表示されている製品もあるため、謝って白熱電球や電球型蛍光灯を購入しないように、事前によく確認しましょう。また、照明器具の取扱説明書にも適合電球についての記載があります。
口金サイズが書いてない!そんな時の見方・測り方



電球を見ても口金サイズが書いてない!パッケージも捨ててしまってるので分からない!
そんな時でも大丈夫。定規やメジャーがあれば、自分でサイズを確認できます。
最重要!口金(くちがね)サイズの測り方


口金の直径(ネジ部分の一番太いところの幅)を定規やメジャーで測ります。


- 直径 約26mm → E26 (イーにじゅうろく)
- 直径 約17mm → E17 (イーじゅうなな)
- 直径 約12mm → E12 (イーじゅうに)
- 直径 約11mm → E11 (イーじゅういち)
電球の口金と身近なものを比べてみる



定規やメジャーが見当たらない。どこにしまったんだろう…
もし定規やメジャーがなかったら、電球の口金サイズと近いものでくらべてみましょう。
E26と近いもの
- 500円硬貨:500円硬貨の直径は26.5mmなので、E26の口金と非常に近いです。お財布の中に500円硬貨があれば、比べてみてください。
- ペットボトルキャップ:内径が26.3〜26.7mmなので、E26の口金がちょうど収まるサイズです。
- 単二電池:直径が26.2mmなので、E26の口金とほぼ同じサイズです。主に懐中電灯やラジオで使われている電池です。
E17と近いもの
単三電池:外径は約14.5mmで、E17の口金よりやや細めですが、サイズ感をつかむ目安にはなります。
電球全体の大きさもチェック!
口金サイズが合っていても、電球のガラス部分が大きすぎると照明器具のカバーにぶつかって取り付けられないことがあります。
測るポイント
- 外径: 電球の一番太い部分の幅
- 全長: 口金の先端からガラスの一番上までの長さ


特に、カバー付きの照明器具や、スペースが限られたダウンライトなどは、元の電球と同じくらいの大きさのものを選ぶのが無難です。LED電球は、同じ明るさでも形状が様々なものがあるので注意しましょう。
失敗しない電球選び:種類と明るさ、光の色
サイズがわかったら、次は電球の種類や明るさ、光の色を選びましょう。
形状の種類も色々
一般的なナス形の「A形」、ボール形の「G形」、細長い「T形」などがあります。パッケージに形状が記載されていることもあります。


電球の種類:白熱電球?LED電球?
昔ながらの温かい光を放つ白熱電球。一時は省エネの代替として登場した電球形蛍光灯。そして今や照明のスタンダードとなったLED電球。それぞれの電球には、光の色や寿命、消費電力といった異なる特徴があります。
白熱電球
昔ながらの温かい光が特徴で、点灯した瞬間の明るさや、物の色を自然に見せる演色性の高さが魅力です。構造がシンプルで調光器にも対応しやすい反面、消費電力が大きく、寿命が短い点がデメリットでした。現在では、省エネ性能や長寿命の観点から生産終了が進んでいます。
電球形蛍光灯
白熱電球よりも大幅に消費電力を抑えられ、寿命も長いため、1990年代後半から2000年代にかけて、省エネ電球として広く普及しました。電球色や昼白色など光色のバリエーションがありましたが、スイッチを入れてから明るくなるまでに時間がかかる点や、調光への対応が一般的に難しい点が課題でした。
LED電球
現在の照明の主流であり、圧倒的な省エネ性能と非常に長い寿命が最大のメリットです。電気代の節約や交換の手間を考えると、初期費用はやや高くても長期的なコストパフォーマンスに優れています。様々な明るさ、光の色、配光の製品があり、調光に対応したものも多く、幅広い用途で活用されています。
特別な理由がない限り、今から交換するならLED電球が断然おすすめです!



交換する電球を特定するために、お客様が今まで使っていた切れたLED電球を持ってこられます。その多くが10年ほど前に製造されたもので、つまりLED電球はそれだけ長持ちしているんです!
明るさの選び方:「〇〇形相当」と「ルーメン(lm)」
以前は明るさの目安として「ワット(W)」が使われていましたが、省エネなLED電球の登場により、実際の明るさを示す「ルーメン(lm)」という単位が使われるようになりました。
- 「〇〇形相当」: 従来の白熱電球〇〇Wと同じくらいの明るさですよ、という目安。(例: 60形相当)
- ルーメン(lm): 光の量(明るさ)を示す単位。数値が大きいほど明るい。
明るさの目安 (LED電球の場合)
白熱電球のW数 | LED電球の明るさ (lm) 目安 | 主な使用場所例 |
---|---|---|
40W形相当 | 485 lm 以上 | トイレ、廊下、玄関、間接照明 |
60W形相当 | 810 lm 以上 | リビング、ダイニング、寝室、書斎 |
100W形相当 | 1520 lm 以上 | 広いリビング、作業スペース |
光の色の選び方:部屋の雰囲気に合わせて
LED電球は、光の色を選ぶことができます。部屋の用途や好みに合わせて選びましょう。
- 電球色: 暖かみのあるオレンジ色の光。リラックスしたい寝室やリビング、ダイニングにおすすめ。
- 温白色: 電球色と昼白色の中間の色。落ち着いた雰囲気と自然な見え方を両立。
- 白色/昼白色: 太陽光に近い自然な白い光。リビングやキッチン、洗面所など、活動的な空間におすすめ。
- 昼光色: 青みがかった最も明るい白い光。集中したい書斎や勉強部屋、細かい作業をする場所におすすめ。


配光タイプもチェック
- 全方向タイプ: 白熱電球のように、全体が明るく光るタイプ。
- 広配光タイプ: 下方向を中心に、広く照らすタイプ。リビングなどにおすすめ。
- 下方向タイプ: 下方向を集中的に照らすタイプ。ダウンライトやスポットライトにおすすめ。
交換時の注意点とよくある質問



電球を安全に、そして正しく交換するために知っておきたいポイントをまとめました。
交換時の安全対策
- 必ず電源を切る: 照明器具のスイッチだけでなく、可能であればブレーカーも落としましょう。感電防止のためです。
- 電球が冷めてから: 点灯直後の電球は高温になっています。やけど防止のため、十分に冷めてから作業してください。
- 足元を安定させる: 脚立などを使う場合は、ぐらつかない安定した場所で作業しましょう。
- 無理な力を加えない: 古い電球が固くて外しにくい場合もありますが、無理に回すと破損する危険があります。ゴム手袋などを使うと滑りにくくなります。
口金サイズ以外にも注意!特殊な機能



「長寿命」という言葉を信じて高価なLED電球を選んだのに、すぐに切れてしまった!
こういう場合、以下の点を確認してみてください。
- 調光器対応: 明るさを調節できる機能(調光器)が付いた照明器具には、「調光器対応」の電球が必要です。非対応の電球を使うと、故障や火災の原因になることがあります。
- 密閉型器具対応: カバーで覆われている照明器具(お風呂場や玄関灯など)には、「密閉型器具対応」の表示がある電球を選びましょう。LED電球は熱がこもりやすいため、対応していないものを使うと寿命が短くなることがあります。
- 断熱材施工器具対応: 天井に断熱材が敷き詰められている場合、ダウンライトなどには「断熱材施工器具(SB、SGI、SG形表示器具)」対応の電球が必要です。これも熱がこもりやすいため、対応品を選びましょう。
よくある質問 (Q&A)
まとめ
電球のサイズが分からない時の確認方法と、失敗しない選び方について解説しました。
- まずは電球本体やパッケージで「E26」「E17」などの口金サイズを確認!
- 書いてなければ口金の直径を測る!(約26mmならE26、約17mmならE17)
- 明るさは「〇〇形相当」や「ルーメン(lm)」を参考に、元の電球と同じくらいのものを選ぶ。
- 光の色は部屋の用途に合わせて選ぶ。(リラックス空間は電球色、活動空間は昼白色など)
- 交換するなら省エネ・長寿命の「LED電球」がおすすめ!
- 「調光器」「密閉器具」「断熱材施工器具」に対応しているか確認する。



正しい電球を選べば、交換の手間が省けるだけでなく、電気代の節約にもつながります。
この記事を参考に、ご自宅にぴったりの電球を見つけて、快適な明かりのある生活を送ってくださいね!