
蛍光灯がなくなるって本当?



今のうちに蛍光灯を買いだめ・ストックしておいた方がいいの?
2027年末(一部製品は2026年末)をもって、多くの蛍光灯が製造・輸出入禁止になるというニュース。愛用の照明器具を使い続けたい方や、LED照明への交換をためらっている方にとって、「蛍光灯の買いだめ」や「買い置き」は気になる選択肢のはずです。



しかし、ただ蛍光灯をストックしておけば安心というわけではありません。
未使用の蛍光灯でも長期間の保管で劣化しないのか?寿命は大丈夫なのか?そして、そもそも蛍光灯を買いだめするメリット・デメリットは何なのか?
この記事では、そんな疑問を抱えるあなたのために、蛍光灯の買いだめ・ストックに関するあらゆる情報を徹底解説します。保管方法のコツ、未使用品の劣化リスク、照明器具の寿命との関係、そして後悔しないための注意点まで。
生産終了が迫る今だからこそ知っておきたい、賢い蛍光灯との付き合い方。あなたの「あかり」を守るための最適な判断を、この記事で見つけてください。
- 蛍光灯を買いだめ・ストックしておきたい具体的な理由
- 蛍光灯の買いだめにおける最大の注意点(安定器の寿命)
- 未使用蛍光灯を長持ちさせる正しい保管方法と劣化リスク
- 蛍光灯をストックする上での計画の立て方(種類・本数)
- 蛍光灯の水銀含有リスクと安全な取り扱い方法
- 代替品としての直管・サークル管LEDランプの問題点
- 工事が必要な照明をLED化する際の注意点と早めの判断の重要性
- 【法人担当者様向け】事務所等の40W直管蛍光灯対策のポイント
- 信頼できる蛍光灯の購入先リンク(参考)と賢い入手方法
- 余った未使用蛍光灯を無駄にしない方法(フリマアプリ活用)
- 蛍光灯生産終了に向けて、総合的にどう判断すべきか
なぜ今「蛍光灯の買いだめ・ストック」なのか?~それでも蛍光灯を選びたい5つの理由~
LED化が推奨される中、なぜあえて「蛍光灯の買いだめ」や「買い置き」を検討するのでしょうか?そこには、切実な理由があります。
愛着のある照明器具を使い続けたい!
お気に入りのデザイン、部屋の雰囲気に合う照明器具を、蛍光灯の生産終了だけで手放したくない。蛍光灯をストックしておけば、可能な限り長く愛用できます。



実はわが家にも、親から受け継いだ大切なシャンデリア風の照明があるのですが、光源が蛍光灯タイプでして……。とても気に入っているので、できれば手放したくありません。


賃貸物件で自由に器具交換ができない…
備え付け照明の場合、勝手にLED器具に交換するのは困難。蛍光灯ランプの交換で対応せざるを得ない状況では、買い置きが必須になるかもしれません。



2年契約の賃貸物件に入居したところ、備え付けの照明が蛍光灯器具だったため、替えの蛍光ランプを探しに店舗にご来店されたお客様もいらっしゃいました。
LED照明への変更による「光の質の変化」に抵抗がある!
蛍光灯からLED照明に切り替えると、光の強さ(明るさ)、光の色味(色温度)、光の広がり方などが変わってしまう可能性が高いです。長年慣れ親しんだ蛍光灯の柔らかな光や、部屋全体の雰囲気との調和を大切にしたい方にとって、この「光の質の変化」は大きな抵抗となり得ます。未使用の蛍光灯を確保しておくことは、この変化を避け、慣れ親しんだ光環境を維持するための選択肢です。
交換費用や手間を今すぐにはかけたくない!
LED器具への交換はコストや手間がかかります。「まだ使える蛍光灯器具があるのに…」という場合、当面のストックで対応したいと考えるのは自然です。
使用頻度の低い照明まで買い替えるのは抵抗がある!
納戸や地下室など、家の中には年に数回しか点灯しない照明も意外と多いものです。故障もしていないのに、使用頻度の低い照明器具までLEDに買い替えるのは経済的にも心情的にも抵抗がある、という方は少なくありません。
市場から蛍光灯ランプが減れば、入手が難しくなったり、価格が上がったりする可能性も。今のうちに買いだめておきたいというニーズは高まっています。
蛍光灯買いだめの最大の壁!「安定器の寿命」が未使用ストックの劣化・寿命より重要
蛍光灯ランプを買いだめ・ストックする上で、最も注意すべきは照明器具本体、特に「安定器」の寿命です。未使用の蛍光灯をいくら大切に保管していても、安定器が劣化していれば意味がありません。
照明器具の寿命の目安:
- 適正交換時期:設置後8~10年
- 耐用の限度:15年(出典:一般社団法人日本照明工業会 など)
10年以上経過した照明器具は、安定器が劣化し、以下のようなリスクが高まります。
古い安定器を使い続けるリスク
- ランプの短寿命化
- 点灯不良・ちらつきの増加
- 異音・異臭
- 過熱・発煙・発火
- 漏電
対策
まず、お使いの照明器具の使用年数を確認しましょう。比較的新しい器具であれば、その寿命を見越したストックは有効です。しかし、古い器具の場合は、買いだめよりも器具交換を優先すべきかもしれません。
蛍光灯の賢い買いだめ・ストック術5選|未使用品の保管と劣化対策
「安定器の寿命」を理解した上で、それでも蛍光灯を買いだめ・ストックしたいあなたへ。後悔しないための具体的な5つの鉄則です。
鉄則1:まず確認!照明器具の「使用年数」と安定器の「劣化」状態



ストック計画の前に現状把握を!
- 照明器具の設置時期は? これにより、安定器のおおよその寿命が推測できます。
- 照明器具に異常(ちらつき、異音、異臭など)はないか? これらは安定器劣化のサインです。
使用年数に応じたストック量の目安
- 設置後~5年: 器具の残り寿命(5~10年)を見越して計画的にストック。
- 設置後5~8年: 器具交換も視野に、2~3年分の買い置きを検討。
- 設置後8年以上: 安定器の寿命が近いため、ストックは最小限に。早期のLED器具交換を推奨。
鉄則2:未使用蛍光灯を「正しく保管」して劣化を防ぎ、寿命を延ばす!



未使用蛍光灯も保管方法が悪ければ劣化が進みます。
未使用蛍光灯の理想的な保管条件
- 温度・湿度: 高温多湿を避け、温度変化の少ない冷暗所(目安20℃以下、乾燥した場所)
- 光: 直射日光を避ける(外箱や樹脂部品の劣化防止)
- 振動: 振動の少ない安定した場所へ(ガラス破損防止)
- 梱包: 購入時の箱のまま保管
- その他: 腐食性ガスや化学物質の近くを避ける
鉄則3:自宅の蛍光灯を正確に把握!「種類」と「ストック本数」を計画的に
買いだめ前に、自宅の蛍光灯の種類(型番、ワット数、光色、点灯方式)を正確に把握しましょう。照明器具本体や取扱説明書で確認できます。
必要な種類と、年間の交換本数から、無駄のないストック計画を立てます。


鉄則4:忘れずに!蛍光灯の「水銀含有」と破損時のリスク管理
蛍光灯には微量の水銀が含まれています。破損させない保管と、万が一破損した場合の適切な対処法(換気、ゴム手袋着用での回収、掃除機NG、密閉して廃棄)を理解しておきましょう。
鉄則5:代替品「直管・サークル管LEDランプ」への交換は慎重に検討
既存の蛍光灯器具にそのまま使えるとされるLEDランプもありますが、安定器との相性問題や電気工事の必要性、製品品質のばらつき、将来的な規制の可能性も考慮すると、安易な導入は推奨できません。買いだめした蛍光灯を使い切るまでは、現状の器具を正しく使うことを基本に考えましょう。
直管・サークル菅LEDランプについてはこちらの記事も併せてお読みください。


【要注意】工事が必要な照明は早めの判断を!~LED化の駆け込み需要と価格高騰リスク~
蛍光灯の生産終了が間近に迫る中、特に注意が必要なのが、キッチンの棚下灯、浴室灯、玄関の門灯、庭園灯など、照明器具の交換に電気工事が伴う場所です。
「今使っている蛍光灯が切れたら、その時にLEDに交換すればいいや」と考えている方も多いかもしれません。しかし、以下のようなリスクが潜んでいます。
工事依頼の殺到と対応の遅れ
生産終了が近づくにつれ、同じように考えていた人々からのLED化工事の依頼が特定の時期に集中する可能性があります。そうなると、電気工事業者がすぐに見つからなかったり、工事まで数週間~数ヶ月待ちになったりする事態も十分に考えられます。「蛍光灯が切れて困っているのに、すぐに対応してもらえない…」という状況は避けたいものです。
照明器具本体や工事費用の高騰
需要が急増すれば、LED照明器具本体の価格や、交換工事の費用が高騰する可能性も否定できません。「もっと早く頼んでおけば安く済んだのに…」と後悔するケースも出てくるかもしれません。
希望する製品の品薄・欠品
特定のデザインや機能を持つLED照明器具を希望していても、駆け込み需要により品薄になったり、手に入りにくくなったりすることも考えられます。
ご自身のライフプランや予算、そして照明器具の使用状況などを総合的に考慮し、後悔のない選択をするために、今から情報収集と比較検討を始めることを強くお勧めします。


【法人担当者様へ】事務所・店舗の40W直管蛍光灯は特に注意!~早期対策で業務への影響を最小限に~
ご家庭だけでなく、事務所や店舗、工場などで大量の蛍光灯、特に一般的な40W直管蛍光灯を使用されている法人様は、より一層の注意と早期の対策が必要です。
事務所・店舗における蛍光灯問題のポイント
- 40W直管蛍光灯の大量使用とまとめ買いの現状:多くのオフィスや作業スペースでは、依然として40W直管蛍光灯が主力の照明として使われています。そのため、総務ご担当者様や事務スタッフの方が、交換用にまとめて購入されるケースが非常に多いのが実情です。
- 店頭在庫の急速な減少リスク:家庭用以上に、法人による40W直管蛍光灯の「まとめ買い」や「駆け込み需要」が早期に発生する可能性が高いと考えられます。そうなると、一般の家電量販店や電材店などでは、店頭在庫があっという間になくなり、「いざ必要になった時には、どこを探しても手に入らない」という事態に陥るリスクが個人宅以上です。
- 業務への深刻な影響:事務所や作業場の照明が一部でも切れてしまうと、従業員の作業効率の低下はもちろん、安全面での問題や、来客・取引先への印象悪化など、業務に直接的な支障が出かねません。「照明が切れたから今日はこのエリアは作業中止」といった事態は避けたいものです。
法人担当者様が今すぐ検討すべき対策:
- 現状把握と必要数量の算出:まずは、施設内で使用している蛍光灯の種類と本数、年間の交換実績を正確に把握しましょう。その上で、照明器具の耐用年数も考慮し、現実的に必要なストック量を算出します。
- 早期の蛍光灯ストック確保:入手困難になる前に、計画的に必要数の蛍光灯を確保することを強く推奨します。この際、実店舗だけでなく、後述するネット通販なども活用し、確実な入手ルートを確保しましょう。
- LED照明への計画的な移行検討:長期的な視点では、やはりLED照明への切り替えが最も確実な対策です。特に大量の蛍光灯を使用している場合は、電気代削減効果も大きいため、費用対効果を試算し、計画的な導入を検討しましょう。
- 照明器具ごとの交換: 省エネ効果が高く、最も推奨される方法です。
- 既存器具を活用したLED直管への交換(バイパス工事): 器具の状態が良い場合は、安定器を取り外す(またはバイパスする)電気工事を行い、直管形LEDランプに交換する方法もあります。必ず専門業者に依頼してください。



「まだ大丈夫だろう」という油断は禁物です!
安定的な事業継続のためにも、照明に関する対策は経営課題の一つとして捉え、早期に着手されることを強くお勧めします。
【LED照明工事業者探しならEMEAO!】ご希望にあった優良企業を無料で紹介します。
【賢く入手!】蛍光灯の買いだめ・ストックはネット通販がおすすめな理由
ご自宅の蛍光灯の状況と必要なストック本数を確認したら、いよいよ購入です。しかし、いざ家電量販店などの実店舗に足を運んでも、お目当ての蛍光灯が必要な数だけ手に入らないケースが増えています。
店頭在庫のリアルな状況
実は、パナソニックなどの大手照明メーカーは、すでに段階的に一部の蛍光灯の生産を縮小・終了しています。
- 電球型蛍光灯: ほとんどのメーカーが製造を終了しており、現在、店頭で見つけるのは非常に困難です。
- 直管蛍光灯の白色タイプや安価なサークル管: これらも生産終了が進み、店舗によってはすでに発注できない状況になりつつあります。
- 販売継続品も在庫僅少: たとえ販売が継続されている蛍光灯であっても、店舗では多くの在庫を抱えず、販売数量に基づいて在庫を自動調整する「定数管理」を行っている場合がほとんどです。そのため、一つの商品につき在庫が1~2個しかない、ということも珍しくありません。
このような状況下で、ストック用に蛍光灯をまとめ買いしようとすると、店舗を何軒も回ったり、結局必要数を確保できずに取り寄せになり、再来店の手間が発生したりする可能性が十分にあります。



そこで強くおすすめしたいのが、ネット通販の活用です。
ネット通販で蛍光灯をストックするメリット
- 豊富な品揃えと在庫: 実店舗では見つかりにくい種類の蛍光灯や、まとめ買いにも対応できる在庫が見つかる可能性が高いです。
- 価格の比較が容易: 複数のショップの価格を簡単に比較でき、店頭価格よりも相対的に安く購入できるチャンスも。
- 自宅やオフィスで手軽に注文・受け取り: 店舗に足を運ぶ手間や時間を節約できます。
- 入手困難リスクの回避: 生産終了が近づくほど、店頭での入手はさらに厳しくなることが予想されます。ネット通販なら、比較的早い段階で必要な蛍光灯を確保しやすくなります。
型番や種類をよくご確認の上、賢く買いだめ・ストックを進めましょう。
購入時のチェックポイント:
- 型番、ワット数、光色、点灯方式は正しいか?
- 必要なストック本数か?(買いだめしすぎ注意)
- 信頼できるショップか?(レビューやショップ情報を確認)
- 送料や納期はどうか?
【もしもの時も】余った未使用蛍光灯はフリマアプリで売れる?古物商は必要?



照明器具が先に壊れてしまって、ストックした蛍光灯が思ったより余っちゃった…



せっかく買いだめしたのに、無駄になったらどうしよう…
そんな不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ご安心ください。もし未使用の蛍光灯が余ってしまっても、無駄にせずに済む方法があります。それは、フリマアプリ(メルカリなど)やネットオークションを活用して販売することです。



個人が不用品として販売するなら「古物商許可」は原則不要です。
自分で使用する目的で購入したものの、結果的に不要になったもの(未使用品を含む)を販売する場合、基本的には「古物商許可」は必要ありません。これは、営利目的の「業」として行うのではなく、あくまで個人の不用品処分とみなされるためです。
つまり、計画的にストックしたものの、結果的に余ってしまった数本~数十本の未使用蛍光灯をフリマアプリで販売する程度であれば、古物商の許可は心配しなくて良いケースがほとんどです。
ただし、注意点も!
- 営利目的の反復継続はNG: 最初から転売で利益を得ることを目的に大量に仕入れ、それを継続的に販売するような場合は「古物営業」とみなされ、古物商許可が必要になる可能性があります。あくまで「余ってしまった不用品」という範囲に留めましょう。
- 正確な商品説明を心がける: 「未使用品」であること、「長期保管品」である可能性(もし該当する場合)、型番、ワット数、光色などを正確に記載しましょう。外箱の状態なども正直に伝えることがトラブル防止につながります。
- 丁寧な梱包を: 蛍光灯は割れ物ですので、配送中に破損しないよう、緩衝材を十分に使い、厳重に梱包することが非常に重要です。
- 適正な価格設定を心がける: あくまで不用品の処分であり、不当に高値をつけるような「転売ヤー」と誤解されないよう、購入時の価格や市場の状況を考慮した、良識的な価格設定を心がけましょう。必要な人に適正な価格で譲るという気持ちが大切です。
このように、万が一ストックが余ってしまった場合でも、フリマアプリなどを活用すれば、必要としている人に譲ることができ、無駄を減らすことができます。この点も、蛍光灯の買いだめを検討する上での一つの安心材料になるのではないでしょうか。
まとめ:蛍光灯の買いだめ・ストックは計画的に!未使用品の寿命と劣化を理解し賢く保管
蛍光灯の生産終了は避けられませんが、事前の情報収集と計画的な行動で対応できます。
蛍光灯の「買いだめ」「ストック」を検討する際の重要ポイント
- 最重要:照明器具(安定器)の「寿命」と「劣化」状態を必ず確認!
- ストック・買い置きは計画的に、必要最小限に。
- 正しい保管方法で、未使用蛍光灯の劣化を抑え、寿命をできるだけ維持する。
- 水銀含有のリスクを理解し、安全に保管・取り扱う。
- 工事が必要な照明は、LED化のタイミングを早めに検討する。
- 【法人向け】事務所等の40W直管蛍光灯は特に早期対策を!
- 蛍光灯の入手は、品揃え・価格・利便性の面でネット通販の活用がおすすめ。
- 万が一ストックが余っても、フリマアプリなどで販売できる可能性も。
この記事が、あなたが愛用する照明器具で、できるだけ長く快適な「あかり」を灯し続けるための一助となれば幸いです。長期的にはLED照明への移行も視野に入れつつ、当面は賢い蛍光灯の買いだめ・ストックで、お気に入りの光環境を守りましょう。
【免責事項】