
うちのスポット照明、まだハロゲンランプだけど、そろそろLEDに交換した方がいいのかな?



ハロゲンランプが生産終了するって聞いたけど、本当?
最近、ご家庭や店舗で使われているハロゲンランプについて、このような疑問をお持ちの方が増えています。結論から言うと、ハロゲンランプからLEDへの交換は、今すぐ検討すべき非常にメリットの多い選択肢です。
この記事では、「ハロゲンランプとは何か?」という基本から、「ハロゲンランプとLED」の具体的な違い、ご自身の照明にピッタリな代替LED電球の探し方、そして選び方の重要ポイントである「配光」まで、皆さんの疑問にすべてお答えします。
- ハロゲンランプとLEDの基本的な違いと性能比較
- ハロゲンランプの生産が終了する本当の理由
- 多種多様なハロゲンランプの口金と、代替LEDの現状
- 失敗しない代替LED電球の選び方(明るさ・調光・配光)
- 今お使いの電球の配光を型番から見分ける方法



「ハロゲンランプの代替LED」を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ハロゲンランプとは?基本的な仕組みを解説


まず、「ハロゲンランプ」がどのような電球なのか、基本的な仕組みからご説明します。
ハロゲンランプは、白熱電球の一種です。 ガラス管の中に、電気を流すと発光する「フィラメント」という部品が入っている点は、昔ながらの白熱電球と同じです。
大きな違いは、ガラス管の中に「ハロゲンガス(臭素やヨウ素など)」が微量に封入されている点です。このハロゲンガスが「ハロゲンサイクル」という化学反応を起こすことで、以下のようなメリットが生まれます。
- 長寿命化: 通常の白熱電球よりもフィラメントが消耗しにくくなるため、寿命が長くなります。
- 高効率・高輝度: より高温で発光させることができ、明るく効率の良い光を生み出します。
この特性から、対象物を明るく、くっきりと照らし出すスポットライトやダウンライトに多く利用されてきました。



おしゃれなカフェとかバーの天井に設置されてるよね!
ハロゲンランプの生産終了はいつ?【2025年最新情報】
「ハロゲンランプの生産が終了する」と聞いたことがある方も多いでしょう。その背景には、主に以下の3つの理由が複合的に関係しています。
世界的な省エネルギー規制の強化
EU(欧州連合)の「エコデザイン規則」に代表されるように、世界各国で照明器具に対するエネルギー効率の基準が厳しくなっています。消費電力の大きいハロゲンランプの多くは、この新しい基準を満たすことができないため、製造・販売が難しくなっています。
LEDへの市場シフト
LED技術が飛躍的に進化し、「高効率・長寿命・低コスト」が当たり前になったことで、市場の主役は完全にLEDへと移りました。消費者がより優れたLEDを選ぶようになったため、ハロゲンランプの需要が自然に減少したことも大きな要因です。
国内メーカーの自主的な生産終了
こうした世界的な規制の動きや市場の変化を受け、国内の主要な照明メーカーは、経営資源をLEDに集中させるため、自主的にハロゲンランプの生産を続々と終了しています。具体的には、パナソニックは2024年3月末をもって全ての一般照明用ハロゲンランプの生産を完了。(パナソニック公式サイト)



え?!もうパナソニックは止めちゃってるんだ!
また、岩崎電気やフェニックス電機なども段階的に生産を終了しており、特定製品については2024年3月や2025年3月といった具体的な終了時期を告知しています。このように、業界全体で生産終了の動きが加速しているのが現状です。
どっちが良いの?ハロゲンランプ vs LED 徹底比較



でも、本当にLEDの方が優れているの?
その疑問にお答えするため、あらゆる角度から両者を比較してみましょう。
比較項目 | ハロゲンランプ | LED電球 | どっちが良い? |
---|---|---|---|
寿命 | 約2,000~3,000時間 | 約20,000~40,000時間 | LED (圧倒的に長い) |
消費電力 | 高い (例: 50W) | 非常に低い (例: 5W~7W) | LED |
電気代 | 高い | 安い | LED(電気代が1/8に!) |
本体価格 | 安い | 高い | ハロゲン (初期費用のみ) |
発熱量 | 非常に高い | 少ない | LED (安全性が高い) |
光の広がり | 全方向に広がる(拡散) | 直進性が強い(指向性) | 用途による |
紫外線・赤外線 | 含む | ほとんど含まない | LED |
応答速度 | 点灯に少し時間がかかる | スイッチオンで即点灯 | LED |


ハロゲンランプの欠点は?



比較表からわかる通り、ハロゲンランプの主な欠点は以下の通りです。
- 寿命が短い: LEDの10分の1以下しか持たないため、交換の手間が頻繁に発生します。
- 消費電力が大きい: 電気代が高くつきます。特に使用時間の長い場所では大きな差になります。
- 発熱量が多い: 電球本体が非常に高温になるため、火傷の危険や、周辺素材への影響が懸念されます。
これらの欠点をすべて解決するのがLED電球なのです。
ハロゲンからの乗り換え!代替LED電球の探し方ガイド
LEDへの交換は、電球を付け替える作業自体は簡単です。重要なのは、今お使いの照明に合った、最適な代替LED電球を見つけ出すことです。ここでは、その探し方の手順とポイントを解説します。
ステップ1:現在のハロゲンランプの仕様を確認する
まず、今使っているハロゲンランプを取り外し、以下の3点を確認します。これが代替品探しのスタート地点です。
- 口金(くちがね)の形状とサイズ
- ワット数(W)と明るさ
- 調光器の有無
口金の種類:多様なハロゲン、しかしLEDの代替品は一部


ハロゲンランプには、以下のように実に多種多様な形状やサイズの口金が存在します。
- ネジ式: E11, E17, E26
- ピン式: G4, GU4, GZ4, G5.3, GU5.3, G6.35, GY6.35, G9, GU10, GZ10, EZ10
- 両口金式: R7s
しかし、ここで最も注意すべき点は、これら無数にあるハロゲンランプに対し、代替となるLED製品が製造されているのは、一部のメーカーと種類に限られるという厳しい現実です。
【比較的、LEDの代替品が手に入りやすい口金】 インターネット通販などを含めると、以下の口金は比較的LEDの代替品が見つけやすい傾向にあります。
- E11, E26
- EZ10, GU5.3,



家電量販店では、特殊な口金のハロゲンランプをお求めのお客様には「早めの確認とLEDへの交換」を強く推奨しています。カフェやバーなどの商業施設の照明でご利用されている場合は、なおさら迅速な対応が重要です。
ステップ2:代替LED電球を選ぶ4つのポイント


現在の電球の仕様がわかったら、いよいよ代替LEDを探します。選ぶ際の重要ポイントは以下の4つです。
1. 明るさ(ルーメン / lm)で選ぶ
LEDの明るさはワット(W)ではなくルーメン(lm)という単位で表します。今までのハロゲンランプと同じくらいの明るさが欲しい場合は、以下の目安を参考にしてください。
- ハロゲンランプ 40W形 相当 → 450 lm 以上
- ハロゲンランプ 60W形 相当 → 800 lm 以上
- ハロゲンランプ 100W形 相当 → 1500 lm 以上
2. 調光機能の有無を確認する
壁のスイッチがダイヤル式やスライド式で明るさを調節できる「調光器」の場合、LED電球も「調光器対応」のものを選ぶ必要があります。
非対応のLEDを取り付けると、ちらつき、異音、故障の原因となり非常に危険です。
3. 光の色(色温度)を選ぶ
光の色は、空間の雰囲気を大きく左右します。好みに合わせて選びましょう。
- 電球色: オレンジ色がかった温かみのある光。リラックスしたいリビングや寝室に。
- 昼白色: 太陽の光に近い自然な白い光。どんな部屋にも合いやすい。
- 昼光色: 青みがかったスッキリとした光。集中したい書斎や作業部屋に。


4. 配光(光の広がり方)を選ぶ【最重要ポイント】
配光は、照明の効果を決定づける最も重要な要素です。 用途に合わせて慎重に選びましょう。
- 狭角(ナロー): 光がシャープに集中。絵画やオブジェをピンポイントで照らし、際立たせたい場合に最適。
- 中角(ミディアム): バランスの取れた光の広がり。商品棚やテーブルなど、特定の範囲を明るくするのに向いています。
- 広角(ワイド): 光が広範囲に拡散。部屋全体を明るくしたいダウンライトなどに適しています。
今使っているハロゲンランプの型番から配光を見分ける方法
LED電球を選ぶ際、今使っているハロゲンランプと光の広がり方が大きく違うと、部屋の雰囲気が想定と異なってしまいます。そこで重要なのが、現在お使いのハロゲンランプの型番を確認し、同じ配光のLEDを選ぶことです。メーカーによって多少の違いはありますが、多くの場合、型番に含まれるアルファベットから配光(ビーム角)を推測できます。
- NV → 超狭角
- N → 狭角
- M → 中角
- W → 広角
※上記はあくまで一般的な目安です。モデルチェンジで変更されたり、シリーズによって命名規則が異なったりする場合があります。代替のLED電球を購入する前には、必ず製品の仕様書や公式サイトで正確なビーム角(配光角)を確認してください。
【番外編】「光漏れハロゲン」とは?




LEDハロゲンランプは前方に光を集中させますが、中には「光漏れハロゲン」のように、従来のハロゲンランプのように、あえて後方にも若干の光が漏れるように設計された製品もあります。これにより、照明器具の周囲や天井面にも光が広がり、空間全体に柔らかな明るさや奥行き感をもたらす効果があります。
よくある質問 (FAQ)
まとめ:未来のために、今こそハロゲンからLEDへ
「ハロゲンランプとLED」について、違いから代替品の探し方まで詳しく解説しました。
【この記事のポイント】
- ハロゲンランプは省エネ規制や市場の変化で生産終了が進んでいる。
- ハロゲンには無数の種類があるが、LEDの代替品はごく一部しか存在しない。
- LEDは「長寿命」「省エネ」「高安全性」でメリット大。
- 代替品探しは「口金」「明るさ」「調光」「色」「配光」の確認が必須。
- 特に「配光」と「口金」は重要。今すぐ自宅の照明を確認することが大切。
ハロゲンランプから代替LEDへの交換は、電気代の節約や交換の手間を省くだけでなく、地球環境にも優しい選択です。この記事を参考に、ぜひご自宅や店舗の照明を見直し、快適で経済的なLEDライフをスタートさせてみてはいかがでしょうか。